中国のちまた見聞録

中国を素のまま、生のまま捉える様に心がけました


 「淀みに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しく留まることなし」
  今から5、6年前中国を通算2年をかけて旅行した。中国語でいう「旅游」である。

 日本のように圧倒的に単一民族が支配的である国に対して、中国の広大で且つ多くの少数民族を内に包含し、多少の矛盾はありながらも、国としての体勢を2000年間の長きに亘って続けてきたということは、それだけでも畏敬に値する。

 今回の旅は現実の姿に直接触れることにより、中国の良さと遅れた点を垣間見ることができたと同時に、日本との関係において改めて日本を見直すきっかけになったと思う。

 このブログはその時の記録である。これ以上無理解による反目が広がらないことを祈る。

     目指すは「坊ちゃん」と「ドクトルマンボウ航海記」    (李 白扇)
 

 
 

再開します

 暫くの間、中国で武者修行をしていました。期間は半年間でしたが、ある人に言わせると「たった半年ではモノにはならんわ」
いやあ、おっしゃる通りです。しかし、モノにならんでも、やらんよりはましだろう」と頑張りました。
 その成果をこのサイトで示すことが出来ればいいのですが・・。
さて、私の武者修業とは一体何だったんでしょう?
コメントに一言入れて戴ければいいんですが.

囲碁と国力

アジア大会」で、囲碁がスポーツとして採用される
1月25日付の「日中友好新聞」によると、昨年11月12日から15日間行われた「アジア大会」で、囲碁が初めてスポーツとして採用されたとのことである。参加チームは全部で8各国だたそうだが、1位は韓国、2位中国、3位日本とほぼ勢力図そのままが勝敗に現れたとのことである。


日本の囲碁の凋落
 ところで50年、60年代は日本が断トツだったとのことであるが、今では勢力図でも、囲碁人口でも後塵をきす存在になってしまっているとのことである。中国の囲碁人口は1億3千万人でかつピラミッド型となっている。一方の日本は人口360万人で、しかも年齢構成は逆ピラミッド型になっているとのことである。
 振り返ってみれば、このような凋落状態にあるのは、なにも囲碁に限ったことではなく、小中学生の体力、学生の学力などなどいろんな方面で危惧を持たれている。
 いつからこうなってしまったのだろうか。


囲碁の国際ランク
 囲碁の国際タイトルは2013年以降を取ってみても、中国勢がダントツで、韓国勢がそれに続き、日本勢はそれに遠く及ばないそうだ。なぜこのような状態になってしまったのか?
 底辺を支える競技人口が大きくものをいうようですが、中国が2000万人、韓国が900面人、日本が500万人だそうです。あくまでもスポーツで、趣味の世界で、国際競争力を競うほどではないのですが・・。
 

色が消えた!! 広告が消えた!

 今日のタイトルは、一つは今日だけのことであり、一つは最近の現象である。


舟曲哀悼の日

新華社Web
 「色が消えた」というのは、甘粛省舟曲で起こった地滑りの大災害に対し、政府が8月15日は「舟曲哀悼の日」と決め、政府機関や対外公館では半旗を掲げ、かついわゆる歌舞音曲を差し控えると発表したことに伴い、今日のインターネットのウエブページのトップページの色は消えて、白黒になってしまった。天安門では半旗を掲げる儀仗兵の儀式が報道されていた。というわけで中国のネットワークの主なページの色は今日一日は白黒だということになる。また実際の番組でも少なくとも私の見ているテレビでは全チャンネルはニュースを除き、舟曲の災害報道だけで、ほかの番組は一切見ることはできない。


広告が消えた
 「広告が消えた」というのは、最近あれ!と気がついたことであるが、日本のメーカーの広告が街頭から姿を消したことである。これは今住んでいるところでも感じていたが、先日上海・青島に行ったときにはっきりと意識したことである。以前は上海・青島のような大都会では日本の電器、自動車会社の広告が街頭ではかなり見ることができたように思うが、最近では消えてなくなってしまったのだ。代わりに目立つのはサムソンの広告である。
サムソンの広告も比較的少ない。


日本企業の位置付けの変化か
 これは日本の企業の戦略の変更なのか、はてまた中国の政策の変更でこうなっているのかは知らないが、以前であれば「ソニー」「ナショナル」「三菱」「キャノン」などの広告をかなり見たように思うが、これが消えてしまったのは少しさびしい。
 広告業そのものはかなり発展しているように思う。街頭広告よりもメディア広告の発展が顕著のように感じる。中国企業の宣伝広告はテレビなどではかなりすごいことになっている。従って広告業そのものは健在であるので、先の日本の企業の広告が少ないのは、中国の広告業界の盛衰の問題ではないようだ。

舟曲の壊滅的状況

 しばらく周りのごたごたで落ち着いてテレビを見ることがないという生活が続いていたが、今朝(8月13日)久しぶりに朝のニュースをみて、甘粛省の南部の舟曲という街で大変なことが起こっていることに改めてことの重大さに驚いている。甘粛省と言えばあの有名な敦煌もその最西端に位置している。

 もちろんここで大規模な土石流が発生していたことは知っていたし、救援現場に多量の兵士が派遣され、人海戦術的な活動を行っていたことは知っていたが、今日のニュースでは現場のヘリコプター映像で、より全体的な状況を報道していた。


大規模な土石流が発生
 黄河の上流か揚子江の上流かははっきり分からないがともかく相当の山奥の山の街であるが、ここしばらく続いた大雨で大規模な土石流が発生し、河の流れをせき止めたため洪水が発生し街が壊滅しているというものだ。報道によると川底が10Mほど土砂に埋まって上がってしまったため、街の三分の一が土砂に埋まったというものだ。 
 今回は土石流による被害が大きかったようだが、白龍江(長江へ重慶で合流する嘉陵江の主要支流)へと流れる小川の上流で、川が堰き止められて大量の水がたまり自然ダムができていた。この天然ダムが崩壊して180万立方mほどの土石流が一気に城関鎮の中になだれ込み、川下に甚大な被害をもたらしたという。

 北京週報によれば、ブン川地震で甚大な被害を受けた甘粛省甘南チベット族自治州舟曲県の東北部山間地帯で、突然豪雨が降った。雨は40分以上降り続き、最大雨量は90ミリ余りに達した。豪雨により二筋の大規模土石流が発生し、舟曲県中心部の関鎮月圓村を含む幅約500メートル、長さ約5キロにわたる地域が土石流に飲み込まれたとしている。時間当たり最大雨量が90ミリというのは、日本でも最近ではそう珍しいことではない。この程度の雨量でこのような災害を生むというのは、やはり治水が弱かったという非難も出てこよう。中国は日本と違い川の流域面積も桁違いであるし、一概に述べることはできない難しい面もあるだろう。


 政府は大規模な救援隊を派遣するとともに、幹部を対策本部のトップに任命するなど全力を傾注しているが、発生してから5日目になっているにもかかわらず、今なお大雨が持続し救援作業が困難な状況にひんしていると伝えている。政府は8月15日をこの土砂崩れに対し哀悼の人設定し、あらゆる娯楽活動は自粛し、政府機関には半旗を掲げるとしている。


中国の歴史の中の治水
 中国は太古の昔からこの治水ということが、時々の皇帝にとって常に最大の課題であった。
 先日も書いたが、国土が大きいため、発生する天変地異や気候変動が、我々日本人の想定する規模をはるかに超える規模で発生するようだ。この一カ月の発生を見ても、この甘粛省の大規模土砂災害のほかにも、広州で大規模な洪水が発生しそれぞれ対応に追われている。地震についても、四川省地震以外に青海省の大地震と立て続けに発生している。これらの事件はすべて中国にとって経済的にマイナスの要因として作用するはずである。
 いずれにせよ中国では人口が多いため、小さな街といっても、100万人の人口を超えるところは少なくなく、災害の規模もそれに比して途轍もない大きさになっているようだ。
 日本ではこういうのを聞くとえてして「洪水が起こるのは、木を切りすぎたため」とか建物が倒壊すると、「まともな建築物でないからだ」と批判的に物事を見がちであるが、そういう原因もあるかもしれないが、直接の原因は、「想定の範囲をはるかに超える気象現象・地殻変動」に起因するのではなかろうか。そしてそれと同時に、三峡ダムのような脚光を浴びる工事には力を入れれるが、そぷでない3級河川の治水はどうなっているだろう。冷静な分析が望まれる。

 とりあえず ここをクリックして別置の写真をご覧いただきたい
  甘粛省舟曲の生々しい現場