中国のちまた見聞録

中国を素のまま、生のまま捉える様に心がけました


 「淀みに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しく留まることなし」
  今から5、6年前中国を通算2年をかけて旅行した。中国語でいう「旅游」である。

 日本のように圧倒的に単一民族が支配的である国に対して、中国の広大で且つ多くの少数民族を内に包含し、多少の矛盾はありながらも、国としての体勢を2000年間の長きに亘って続けてきたということは、それだけでも畏敬に値する。

 今回の旅は現実の姿に直接触れることにより、中国の良さと遅れた点を垣間見ることができたと同時に、日本との関係において改めて日本を見直すきっかけになったと思う。

 このブログはその時の記録である。これ以上無理解による反目が広がらないことを祈る。

     目指すは「坊ちゃん」と「ドクトルマンボウ航海記」    (李 白扇)
 

 
 

(())*1221447475*御馬頭


 ホテルのすぐそばに「御馬頭」と書かれた碑が立っている。これは観光スポットになっていて、人力車に乗った観光客がいつも訪れている。これは川のそばに立っているが、その川には飾り立てた船が係留されていて、この船で遊覧も可能である。
f:id:China21:20090817165952j:image:left
 この碑は乾隆帝11年と書かれてあるから、1745年ごろ建てられたものであろう。この清の6代皇帝、乾隆帝はこの舟遊びが大層好きで、よく来ていたとのことだが、この船を「御馬」と読んでいたとのことである。御馬頭というのは、この船を係留する場所ということだ。ちなみに「御」という字は皇帝の所有するものにつける接頭語である。そのような帝の豪勢な遊びのために、清の国家経済を圧迫し、しだいに疲弊することになる。しかしこの帝の時代はしんがもっとも栄えた時代と言えるだろう。
 ところでその碑の説明をする人力車の車夫達の説明を盗み聞きしていると何回聞いても「みまとう」としか聞こえない。日本では御代とか御室とかいった「御」を「み」と読む読み方があり、中国でも本当にこの「御」という字を「み」発音するのか非常に興味があったので、辞書を引いてみたがもちろんない。ひょっとしたら日本のこの読み方は古くは中国のこの辺りから伝わったものかと感じた。北京語と広東語で違うのか調べてみたが、「み」という発音には行きつかなかった。とこで、中国人に聞いてみると「ウィマトウ」と発音するということだ。もう一度聞きなおしてみると、たしかに「ウィ」である。でもやっぱり「み」とも聞こえてしまう。これはフランス語ではなく、まぎれもない中国語である。

 「わかった?」 「ウィ!」