中国のちまた見聞録

中国を素のまま、生のまま捉える様に心がけました


 「淀みに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しく留まることなし」
  今から5、6年前中国を通算2年をかけて旅行した。中国語でいう「旅游」である。

 日本のように圧倒的に単一民族が支配的である国に対して、中国の広大で且つ多くの少数民族を内に包含し、多少の矛盾はありながらも、国としての体勢を2000年間の長きに亘って続けてきたということは、それだけでも畏敬に値する。

 今回の旅は現実の姿に直接触れることにより、中国の良さと遅れた点を垣間見ることができたと同時に、日本との関係において改めて日本を見直すきっかけになったと思う。

 このブログはその時の記録である。これ以上無理解による反目が広がらないことを祈る。

     目指すは「坊ちゃん」と「ドクトルマンボウ航海記」    (李 白扇)
 

 
 

怒るまい 怒るまい

 金曜日、楽しく授業ができ、隣のクラスの学生が覗きに来るぐらいであったので、いい気になって帰っていたら、ある学生が追いかけてきて、「先生の授業は面白くないです」という。そうか、そう感じる学生もいたのかと、その理由と聞いてみると彼は3年も日本語を勉強していて、自分では日本語はそこそこできると思っている。そして日本語の認定試験を受けようと思っている。ところが毎日「あいうえお」ばっかり。何とか特別に教えてくれないかという。それならもう少し話を聞いてみようというわけで、「明日午前9時に電話を掛けてきなさい。そしてどこで会うのかなど決めよう」と電話番号まで教えた。 ところが9時になっても10時になっても一向に電話はかからず。ホテルで待つこと3時間、腹も減ってくるし、仕方がないとホテルを出た。だいたい人にものを頼むのに、約束ぐらい守れよと思うが、中国の笑い話を思い出して、まあそんなものかと納得した。その笑い話は以下のようなものである。
 

ある人が汽車に乗ろうと思って、駅に行った。2、3時間遅れるのはいつものことなので、その積りでいたら、なんと定刻に汽車が来たではないか。びっくりして駅員に「何と珍しいことよ。この国でも定刻にくることがあるのか」と聞くと、駅員は澄ました顔で、「おっさん、なに言うてんのや。その汽車は昨日のやで」と。

 中国の名誉のために言っておきますけど、先日南京に遊びに行ったときの汽車は定刻に発車し、定刻に到着しました。念のため。
 ま、ともかく全てが大きいこの国のこと。こんなことで「ぎゃあぎゃあ」言うてたら、人間小そうなるようで鷹揚に構えることとした。
 ところで此方にも歩数計を持ってきている。日本では普通に生活していれば、大体一日5000歩、スポーツジムまで往復歩いて行って、3、40分ランニングマシンを使ってやっと11000歩である。ところがこの国では、職場までバスで通って、昼ご飯と晩飯近くの食堂に行くというごく普通の生活で毎日12000はいってしまう。こんなところからでもこちらの間尺の大きいことが推察いただけるのではないかと思っている。