中国のちまた見聞録

中国を素のまま、生のまま捉える様に心がけました


 「淀みに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しく留まることなし」
  今から5、6年前中国を通算2年をかけて旅行した。中国語でいう「旅游」である。

 日本のように圧倒的に単一民族が支配的である国に対して、中国の広大で且つ多くの少数民族を内に包含し、多少の矛盾はありながらも、国としての体勢を2000年間の長きに亘って続けてきたということは、それだけでも畏敬に値する。

 今回の旅は現実の姿に直接触れることにより、中国の良さと遅れた点を垣間見ることができたと同時に、日本との関係において改めて日本を見直すきっかけになったと思う。

 このブログはその時の記録である。これ以上無理解による反目が広がらないことを祈る。

     目指すは「坊ちゃん」と「ドクトルマンボウ航海記」    (李 白扇)
 

 
 

経営戦略の教科書

 こちらで使われている経営戦略の教科書を見せてもらって驚いた。
史記三国志演義などが続々登場し、その中で始皇帝司馬遷諸葛亮孔明劉邦といった人物のとった戦略が紹介され、その中から戦略が説き起こされている。まるで歴史小説を読むがごとき感じである。自分たちがわくわくしながら読んだ小説の主人公が自分たちの生の言葉で教科書の中で語りかけてくる。これはたまらんではないか。
 大学のときに聞きかじった経営戦略といえば、アメリカの大学教授の名前ばかりだったような気がする。そして会社に入って初めて、雑誌「プレジデント」などで、史記などが紹介されたたような気がする。自分の頭の中はこういった経営戦略の話と歴史物語は完全に切り離されていた。
 これは私自身の受け止めの問題もあろうが、学校教育の教え方にもその原因はあるのではないかと思う。
 もちろん史記だの三国志演義などを教えないとだめといっているのでも、学校教育を全面否定しているわけではないが、歴史からの教訓と学校教育とのつながりが希薄と言うことである。歴史教育というと負の遺産ばかりが強調されるが、わが国にも中国のそれと似た教えがあるはずだ。
 日本でこういった教えで思い出されるのは、毛利元就の三本の矢の教えなどに象徴される強烈な道徳臭のついた話ばかりが思い出されるのはなぜだろう。
 最後にこちらの教科書でもっとも驚かされたのは、「美人計」という名の、いわば色仕掛けがれっきとした経営戦略の教科書で、りっぱな戦略として取り上げられていたことである。「立派な武将でも、美人の関を越すのは難しい」との注釈付きで・・。たしかに項羽と虞美人、玄宗皇帝と楊貴妃など中国だけではなく枚挙の暇がない。
 英雄色を好むといわれているが、美人に弱いのは英雄でなくとも人間の業なのかもしれない。
われわれレベルだと長井某がごときフィリッピンでの美人局ぐらいの程度で済むが、レベルが高くなると北朝鮮の女スパイがごときとなり、もっとレベルが高くなると国を滅ぼす。

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