中国のちまた見聞録

中国を素のまま、生のまま捉える様に心がけました


 「淀みに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しく留まることなし」
  今から5、6年前中国を通算2年をかけて旅行した。中国語でいう「旅游」である。

 日本のように圧倒的に単一民族が支配的である国に対して、中国の広大で且つ多くの少数民族を内に包含し、多少の矛盾はありながらも、国としての体勢を2000年間の長きに亘って続けてきたということは、それだけでも畏敬に値する。

 今回の旅は現実の姿に直接触れることにより、中国の良さと遅れた点を垣間見ることができたと同時に、日本との関係において改めて日本を見直すきっかけになったと思う。

 このブログはその時の記録である。これ以上無理解による反目が広がらないことを祈る。

     目指すは「坊ちゃん」と「ドクトルマンボウ航海記」    (李 白扇)
 

 
 

心得1 運転手には金を見せるな

 朝が早いのでホテルの食事は抜いて、停留所でバスを待っていた。ところがどうしたことか待てど暮らせどバスは来ない。ついに我慢をし切れなくなってタクシーに乗ることにした。この停留所にはいつも客待ちをしているタクシーが5,6台たむろしている。彼らは強引なところがあって、客を捕まえては引き込んでいるのを見ているので、どうしようかなと思いつつ、以前にも載ったこともあるということで、ともかく小銭だけは準備しておくべしと確認し、小銭を手に持ったままタクシーに乗り込んだ。
 その運転手、相乗りをさせたかったみたいだが、適当な客がいないため少し間をおいて出発した。彼はメーターを倒さず、走って学校まで着いた。おかしいなとは思ったが、これもよくあることでいいかと思って、いつも8元なので10元を出して釣銭をもらおうとすると、彼は「10元で行けと云ったではないか」と釣りは出そうとしない。「いつも8元だ。わしはここはいつも乗っている」と抗議すると、しぶしぶ2元の釣銭を出してきた。やることがせこい。
 車に乗るときに10元を見せて乗ったので、この客はみたところ外国人みたいだし、10元は取れるとふんで、メーターも倒さず走ったがそうは問屋がおろさなかったので、不満そうな顔をしていた。
 以前にも書いたが、買い物をしたり、タクシーに乗る時にはむやみに金は見せてなならない。これは旅先では鉄則である。その鉄則を破った自分にも非があるとおもいつつ、こんなせこいことをしないと生活できないのかも知れないと思ったりもする。