中国のちまた見聞録

中国を素のまま、生のまま捉える様に心がけました


 「淀みに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しく留まることなし」
  今から5、6年前中国を通算2年をかけて旅行した。中国語でいう「旅游」である。

 日本のように圧倒的に単一民族が支配的である国に対して、中国の広大で且つ多くの少数民族を内に包含し、多少の矛盾はありながらも、国としての体勢を2000年間の長きに亘って続けてきたということは、それだけでも畏敬に値する。

 今回の旅は現実の姿に直接触れることにより、中国の良さと遅れた点を垣間見ることができたと同時に、日本との関係において改めて日本を見直すきっかけになったと思う。

 このブログはその時の記録である。これ以上無理解による反目が広がらないことを祈る。

     目指すは「坊ちゃん」と「ドクトルマンボウ航海記」    (李 白扇)
 

 
 

審美眼

インターネットを見ていると、不穏な文字が並んでいる。

あなたの家の“タンス株”がただの紙きれに!?
来年1月からスタートする“株券電子化”の前にやっておくべきこと
 
米ドルが日本円に対してだけ暴落する危険性がある

 これらの情報は確かに一定の真実は含んでいるであろう。しかし、すべての側面で真実であるかどうかは確かではない。
 これらの情報には発信者がいる。それらの発信者は、必ずある意図を持ってこれらのニュースや観測を発信している。いかにも確かで間違いがないかのような装いで。しかもそれらが、「自由に」無数に出されている。ニュースや情報の発信者もまた、ほかのニュースや情報を見て自分の認識を確認したり、新たな情報を作り上げたりしている。自分の立っている場所がどこなのか見分けがつきにくくなっている。ここに現代に生きる難しさがある。
 昔の「大本営発表」のように完全に一本化されているのではなく、個々の発信者が「自由に」発信しているわけだから、ニュースソースが無数にあり、何がうそか何が真実かわからないようになっている。ニュースや情報の下流側にいる庶民は、これらの無数の情報の中から、確かな流れを見極めなければならない。大変な作業である。
 このサイトのテーマも実はそこにある。「よどみに浮かぶうたかた」は、全くの偶然性をもって動いている。表面に浮かぶうたかたの挙動だけを見ていたのでは底の流れを見失うことになる。しかし、その底流こそが、世の中全体を動かす大きな流れである。
 これを見極める方法に王道はないと思う。確かなものを見る審美眼と確かなものを嗅ぎ分ける嗅覚を日ごろから鍛えるしかないように思う。昔母親に言われたことがある。「骨董屋が自分の店の小僧さんを鍛えるのに、偽者は見せない。絶えず本物だけを見せるようにしている。これが確かな審美眼を鍛えるいわば唯一つの方法です」と。
 今ほど、ぶれることのない、確かな立場に立った情報やニュースが求められている時はない。たとえ、それが一面的であるとしても・・。そのぶれることのない一面を見て、自分なりの判断をすることも大事なことではないだろうか。世の中の出来事に、中立なんて綺麗な作り事はないのである。
 海外にいて日本のマスコミをみていると、どうしても彼らの言うことがある部分では、絵空事であるとしか思えないように感じてしまうのだ。
 さて冒頭の話に戻ると、要は手に持っている株券はとりあえず電子化しておくことが必要だろう。株の処分はそれから後にするとしても。このことは、法律で決まっていることだから、情報ではない。これは仕組みなのだ。株を箪笥に持っておられる方は、今すぐ証券会社にいって、電子化の処置だけはされて置くようにお勧めする。念のため、このニュースソースをお知らせしておきます。タンス株
但しこれを見てどう判断するかはあなた自身なのだ。