北風と大気
北風が強くずいぶん冷え込んでいる。こちらの風はロンドンのそれと同じくかなり湿っており、霧が風に乗って流れるさまが見える。そして単に湿っているだけではなく、ばい煙が混じっていて臭い。健康には良くないと思うが、こちらの人はそれほど気にしていないようだ。
中国の方には失礼だが、まだ衛生という概念がそれほど浸透していないようだ。これも文化の発達の一つの指標であり、「衣食足りて礼節を知る」ではないが、食べる、着る、住むという最低限の条件が満足されてはじめて、身の回りを清潔にしようかということになるのかもしれない。我々でもそうであった。戦後の飢餓経済から開放され、身の回りが綺麗になってきたのは、東京オリンピックのころでなかったかと思う。イギリスでも産業革命のころは、ロンドンはずいぶん汚い町であったと聞く。
そんな昔の話はさておき、今日の晩飯はどうしようかといういつもの問題に悩むことになるが、こうなると晩飯に出る気は完全になくなり、ホテルでパンでもかじって済まそうということになる。この生活衣食は足りているのかな?