中国のちまた見聞録

中国を素のまま、生のまま捉える様に心がけました


 「淀みに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しく留まることなし」
  今から5、6年前中国を通算2年をかけて旅行した。中国語でいう「旅游」である。

 日本のように圧倒的に単一民族が支配的である国に対して、中国の広大で且つ多くの少数民族を内に包含し、多少の矛盾はありながらも、国としての体勢を2000年間の長きに亘って続けてきたということは、それだけでも畏敬に値する。

 今回の旅は現実の姿に直接触れることにより、中国の良さと遅れた点を垣間見ることができたと同時に、日本との関係において改めて日本を見直すきっかけになったと思う。

 このブログはその時の記録である。これ以上無理解による反目が広がらないことを祈る。

     目指すは「坊ちゃん」と「ドクトルマンボウ航海記」    (李 白扇)
 

 
 

北風と大気

 北風が強くずいぶん冷え込んでいる。こちらの風はロンドンのそれと同じくかなり湿っており、霧が風に乗って流れるさまが見える。そして単に湿っているだけではなく、ばい煙が混じっていて臭い。健康には良くないと思うが、こちらの人はそれほど気にしていないようだ。
 中国の方には失礼だが、まだ衛生という概念がそれほど浸透していないようだ。これも文化の発達の一つの指標であり、「衣食足りて礼節を知る」ではないが、食べる、着る、住むという最低限の条件が満足されてはじめて、身の回りを清潔にしようかということになるのかもしれない。我々でもそうであった。戦後の飢餓経済から開放され、身の回りが綺麗になってきたのは、東京オリンピックのころでなかったかと思う。イギリスでも産業革命のころは、ロンドンはずいぶん汚い町であったと聞く。
 そんな昔の話はさておき、今日の晩飯はどうしようかといういつもの問題に悩むことになるが、こうなると晩飯に出る気は完全になくなり、ホテルでパンでもかじって済まそうということになる。この生活衣食は足りているのかな?