中国のちまた見聞録

中国を素のまま、生のまま捉える様に心がけました


 「淀みに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しく留まることなし」
  今から5、6年前中国を通算2年をかけて旅行した。中国語でいう「旅游」である。

 日本のように圧倒的に単一民族が支配的である国に対して、中国の広大で且つ多くの少数民族を内に包含し、多少の矛盾はありながらも、国としての体勢を2000年間の長きに亘って続けてきたということは、それだけでも畏敬に値する。

 今回の旅は現実の姿に直接触れることにより、中国の良さと遅れた点を垣間見ることができたと同時に、日本との関係において改めて日本を見直すきっかけになったと思う。

 このブログはその時の記録である。これ以上無理解による反目が広がらないことを祈る。

     目指すは「坊ちゃん」と「ドクトルマンボウ航海記」    (李 白扇)
 

 
 

螺鈿

 この地には、螺鈿の工芸品がたくさんある。中国全般に螺鈿細工が盛んなのかは分からないが、ともかくそこらあたりにめたらやったら置いてあるのは確かだ。ちなみにこの地の名産は何かと尋ねると、刃物が第一に上がるらしい。筆の店も結構あるのだが・・・。折角周りに筆の店も沢山あるし、書の店も多いようなので、少しはその方面にも足を踏み入れてみようかなと思うが、これはかなり金もかかりそうだし、下手に踏み込むと大けがをしそうだから少し見合わせた方がいいのかも知れない。
 さてこの螺鈿は中国語では全く同じ字で、螺钿(luódiàn)という。インターネットのウイキペディアによると、日本には、中国から伝えられたのだから、中国語と同じ言葉を持つのは当然かもしれない。(下記)

螺鈿(らでん)は、主に漆器などの伝統工芸に用いられる装飾技法のひとつ。貝殻の内側、虹色光沢を持った真珠質の部分を薄く研磨したものを、さまざまな模様の形に切り、漆地や木地の彫刻された表面にはめ込む手法、およびこの手法を用いて製作された工芸品のこと。螺は貝、鈿はちりばめることを意味する。

貝に限らず琥珀、鼈甲、金属片が使われるものも螺鈿と呼ぶが、金、銀を用いた場合は螺鈿とは呼ばずに平文(ひょうもん)、あるいは平脱(へいだつ)と呼ぶ。

使用される貝は、アワビ、カワシンジュガイ(青貝)、ヤコウガイ(夜光貝)、シロチョウガイ(白蝶貝)、アコヤガイなどが使われる。はめ込んだ後の貝片に更に彫刻を施す場合もある。

螺鈿の歴史

日本では、奈良時代正倉院御物のものが古く、平安時代以降、漆芸の装飾技法となる。日本では蒔絵との併用が盛んに行われた。

ここには書かれていないが、使用されている貝にオウムガイというのがある。これは生きた化石とも言われる物で、中国語で、鹦鹉螺というらしい。簡体字でこの画数だから、何が簡体字か分からない。しかし依然としてこの漢字が使われている。