中国のちまた見聞録

中国を素のまま、生のまま捉える様に心がけました


 「淀みに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しく留まることなし」
  今から5、6年前中国を通算2年をかけて旅行した。中国語でいう「旅游」である。

 日本のように圧倒的に単一民族が支配的である国に対して、中国の広大で且つ多くの少数民族を内に包含し、多少の矛盾はありながらも、国としての体勢を2000年間の長きに亘って続けてきたということは、それだけでも畏敬に値する。

 今回の旅は現実の姿に直接触れることにより、中国の良さと遅れた点を垣間見ることができたと同時に、日本との関係において改めて日本を見直すきっかけになったと思う。

 このブログはその時の記録である。これ以上無理解による反目が広がらないことを祈る。

     目指すは「坊ちゃん」と「ドクトルマンボウ航海記」    (李 白扇)
 

 
 

最も非芸術的で、少なくとも文化に関係する話

 昨日の続きはよほどやめようかなと思ったのですが、これを楽しみにしてる方も居られるようですし、しようおまへんわ。しかしこれをあんまり続けると、世のお上品な奥様方から「お下劣な」とか「まあ、お品が悪い」とかで、総すかんを食らうやもしれませんので、もう一回だけで勘弁しておくれやっしゃ。けど根が好きなもんやさかい、頼まれんでもやるんと違いますか。
 この話はいきなり20年から30年前に飛ぶんです。特許庁の職員の方の書かはったもんやと思います。その方の言うには、ある装置が特許申請で出されてきたそうです。それは私が思うにチャップリンの「黄金狂時代」に出てくる自動食事装置のようなもんだったと思います。勿論これは私の想像ですが。姿かたちは違うのでしょうが、コンセプトとしては同じようなもんやと思います。つまり「自動尻拭き機」みたいな。何でこんなもんまで自動化せんならのんかよう分かりませんけど。ともかく、実用化ということでこの装置は試作されたか作られたか分かりませんが、いざ商品化する段になって重大な欠陥が見つかって、結局商品化はされなかったとのことですわ。その欠陥の最大のポイントは、巻き取り装置がうまく作動しなかったということです。つまりこういった装置で巻き取りがうまく作動しなかったら、どういうことになるか皆さん想像してください。これでお終いです。
 しかしトイレとか便所にまつわる話というのは嫌というほどありますね。これも30年ほど前に団いくまという有名な作家の「続パイプのけむり」の続編で「続続パイプの煙」に出てくる話も、腹がよじれるほどのものでした。
 私は最初に言いましたように中国のトイレの話をしたかったので、この話を持ち出したのですが、えらく脱線してしまいました。

 まずは写真を見てください。
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 これはある建物の中のトイレです。これは一見小便用のものと思われるでしょうが、あにはからんや大便の用を足すところです。この仕切りの間には、またぐところがあり、そのまたぐところの間はタイル張りで絶えず水が流れています。すなわち水洗です。ひところ前のぼっとん便所よりはるかに清潔です。ところがお気付きのように、ドアがありません。オープンです。これは男便所ですので、女便所も写真を撮りたかったのですが、そんなことをやると確実に痴漢行為で強制送還になりますんで、写真を撮りたいという衝動はかろうじて抑えていますけど。しかしそれにしてもこんなところでしゃがんで用をたす中国人の男性というのは、おおらかというか「けつの穴が大きい」というか、立派なものです。私なんか人がいなけりゃ、なんとか大急ぎで済ませることが出来るかも知れませんが、人が入ってこようものなら、出掛けたものもひっこんでしまいます。
 人間トイレの時とセックスの時が一番無防備になるらしいから、中国でトイレをされる時に、襲われないように、「小心、小心」(お気をつけてという中国語だそうです)
 最近ではだいぶ少なくなってきているようで、まあホテルであれば、余程田舎に行かない限り仕切りはあると思います。都会でもまだそこそこ残っているようです。ちなみに私が10年前に上海に行った時には、大きなバス・ターミナルのトイレはこれでした。上海であれば10年前とはかなりちがっているでしょうから、今は安心できるかもしれませんね。