中国のちまた見聞録

中国を素のまま、生のまま捉える様に心がけました


 「淀みに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しく留まることなし」
  今から5、6年前中国を通算2年をかけて旅行した。中国語でいう「旅游」である。

 日本のように圧倒的に単一民族が支配的である国に対して、中国の広大で且つ多くの少数民族を内に包含し、多少の矛盾はありながらも、国としての体勢を2000年間の長きに亘って続けてきたということは、それだけでも畏敬に値する。

 今回の旅は現実の姿に直接触れることにより、中国の良さと遅れた点を垣間見ることができたと同時に、日本との関係において改めて日本を見直すきっかけになったと思う。

 このブログはその時の記録である。これ以上無理解による反目が広がらないことを祈る。

     目指すは「坊ちゃん」と「ドクトルマンボウ航海記」    (李 白扇)
 

 
 

中国はどこへ行くのか! 歴史は何を語る??

このところ中国は大きく変貌を遂げている。中国はどこに行こうとしているのか
パールバックを偲ばせる鎮江の館:パールバックに問いかけたいとの思いで以前の記事を再録した。

鎮江は南京の近くの街、長江の要衝にある。この切符は中国新幹線の2等車のものである。
鎮江は南京の近くの街、長江の要衝にある。この切符は中国新幹線の2等車のものである。
 運賃はもちろん1等車の約半額である。  2009年暮れに中国に行った時、ひょんなことでパールバックの旧居を訪ねることが出来た。それは揚子江に面し、南京の近くの鎮江という町にあった。長距離バスから新幹線に乗り継ぐ時にたまたま時間が一時間ほど出来てしまった。仕方なく荷物を預けてその辺をぶらぶらしていたら、人ごみがふっと消えた前に少しきつい坂が現れた。



それは実に不思議で、今まで中国で感じたことのない雰囲気を持った空間であり、まるで魔法の国への入り口にいるようであった。これがオーラというものかも知れない。面白いところだなと坂を上がっていくと、どことなく感じのいい雰囲気を醸し出した洋館が現れた。




近寄って看板を見るとなんと「パールバックの旧居」と書いてあるではないか。中国語では塞珍珠と書く。こんなところでこんなものに出会おうとは全くもって幸運なことで、非常にうれしかったのを覚えている。ただ残念ながら、玄関は閉ざされており、中には入れなかった。隣の記念館を見ての帰り、この本間の管理人が帰宅するのを見てしまった。時間があれば「ふざけるな」と文句を言っていたであろうが、残念ながら実に悔しい思いをしたのを覚えている。





 隣の記念館のようなものがあり、これは開放されており中には写真や、彼女の身近なものが陳列されていた。本館はたたずまいから非常にシックで、中に入ることができれば、パールバックをもっとしっかりとこの目で見ることができたであろうに実に惜しいことをした。
 勤務中に職場を放棄するとは、中国らしいことなのからしくないのか分からぬが、非常に怒りがこみ上げてきた。




「大地」、「ワイルドスワン」、「大地の子」:私の中国観に決定的影響を与えた作品
 パールバックの「大地」、ユン・チアンの「ワイルドスワン」、山崎豊子の「大地の子」は、それぞれ作者は違うが、中国の近代化の幕開けから文化大革命までの約100年間の壮大なドラマを世界に知らしめた三部作と考えている。この大きなスケールの小説がいずれも女性作家の手になるのは面白い。
 「ワイルドスワン」は中国国内では発禁になっているようであるが、これもそう遅くない時期に中国国内で解禁されるものと信じている。なぜなら「ワイルドスワン」で書かれていることはすでに「大地の子」でも書かれており、20年前ならいざ知らず、今の時点で「ワイルドスワン」を発禁にしなければならない理由はないはずである。この書が解禁になったときに初めて、中国国民と世界の人々が文化大革命の評価を真の意味で共有できるようになる思う。

ParlbackLife
パールバックが蘇る
 パールバックの「大地」は、軍閥が横行していた中国を舞台として、古い中国が新しい時代に向け大きく流れが変わる時代を壮大なスケールで描いたものである。コロナウイルスにより、世の中が大きく変わろうとする今の世にも通じる読み応えのある小説である。ぜひご一読されたい。

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