中国のちまた見聞録

中国を素のまま、生のまま捉える様に心がけました


 「淀みに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しく留まることなし」
  今から5、6年前中国を通算2年をかけて旅行した。中国語でいう「旅游」である。

 日本のように圧倒的に単一民族が支配的である国に対して、中国の広大で且つ多くの少数民族を内に包含し、多少の矛盾はありながらも、国としての体勢を2000年間の長きに亘って続けてきたということは、それだけでも畏敬に値する。

 今回の旅は現実の姿に直接触れることにより、中国の良さと遅れた点を垣間見ることができたと同時に、日本との関係において改めて日本を見直すきっかけになったと思う。

 このブログはその時の記録である。これ以上無理解による反目が広がらないことを祈る。

     目指すは「坊ちゃん」と「ドクトルマンボウ航海記」    (李 白扇)
 

 
 

銀行口座

 中国では、銀行が今や社会の基盤として大きな位置を占めるようになっているようだ。口座開設をする人もかなりの数になっているのではないだろうか。都市部だけのことかもしれないが。
 外国人にもこのように口座開設が自由化されたのは、ごく最近のことで、恐らく今年になってからではあるまいか。私もご多分に漏れず、口座開設をしている。
 この口座は、こちらに来た翌日に銀行に出向き開設したものだ。これを独自にするとなるとかなり困難がある。但し中国語に堪能な人は問題ないだろう。
 持参するものは、パスポートと若干の口座開設料の人民元だ。
 私ははっきり言ってこの時まで、中国のことだから1個月ぐらいは掛かるものだと考えていた。日本ですら(すらという言い方は中国人に対し失礼な言い方かもしれないが)、1週間はかかるわけだから。
 しかし、申し込んでから30分窓口で待たされただけで、口座は開設され銀行カード(これは店舗でも使えるカードにもなっている)を手にすることができた。
 日本のように口座開設だけはその場でして、カードは郵送でということになると、この中国ではかなり問題になるかも知れない。何しろこの広大な国のことである。カードを安全にその人の手元に届くシステムを作り上げる方がかなり難しい。申し込んだその人にその場で手渡すというのが、一番安全で迅速な手法かもしれない。
 このカードはシンガポールなどではおなじみで、最近日本でも出回り始めたものと思う。
 店舗で買い物をするとき、このカードを提示し暗証番号をキーインすると、口座から買い物をした金額が自動的に引き落とされる仕組みになっており大変便利なものである。
 日本のお財布携帯やスイカとは、少し仕組みが異なっている。つまり日本のほうは、カードと銀行口座がいったん中断されるので、少し安全であるのかもしれない。但し中国では、携帯でお金を引き出す仕組みは今のところないようだ。
 ともかく、その迅速なことに驚いた。このことは中国でもお金を動かすシステムが社会的なインフラとして整ったことを意味している。
 クレジット・カードに付いては、人民元が完全に変動相場に移行していない関係からか、制限が設けられてるようで、中国で使用可能かどうかは、日本を出発する前に確認をしておくことである。街角にあるATMにはVISAやDCなどの表示はされているものの、使えないようになっているものもある。基本的にはクレジットカードは使えないと考えたほうがいいのかもしれない。
 なぜかと言うと、クレジットカードとなると、信用取引きになるので、その人の信用をどう保証するかという問題となり、単に銀行の口座から引き落としたり、預け入れたりするのとは、異なる次元の問題となると考えられるからだ。
 いずれにせよ、最近の中国の整備はかなり進んでいて、近代化に向かって一路進行中である。