就職難
どこも同じで生きていくのには、大変な労力がいる。江蘇省で地方税務職員を15,6名募集したところ、なんと126倍の応募があったという。また、やはり江蘇省内のどこかの市が会計士を募集したところ110名の応募があったという。何と110倍だ。
応募規定は、全員学卒で、業務経験が数年必要ということ・・。
中国は慢性的な買い手市場で、人件費はかなり低く抑えられている。確かに皆さんに聞くとそれぞれに不満を持っているようである。
一昔前に日本の賃金は、円レートが非常に高かった折、円レートで割り返し、単純にドルで比較して、「日本の賃金は世界一だ」という馬鹿なことをいう連中もいたようだが、このように単純な比較でその国の賃金やその国の国民の生活が説明できたら言うことなしだ。
日本の生産力はそれなりに飛躍を遂げた。確かに生産力は重要だ。
それなりの安定した生活を享受できるようにし、さらに国民の多様な要求を満足させる為には、ある程度の揺れを吸収できる生産力が必要になる。要はこの生産力をどう使うかだと思う。
しかし、日本では、現実には生産力の向上以前に格差が広がったり、格差を餌に企業への忠誠を要求したりして、結局は「働けど働けどわが暮らし楽にならず」という意識だけが国民の間に残り、豊かになっても「幸せ」だという存在感はついぞ生まれていないのではないだろうか。
中国は、今日本の現実を直視しどうカジ取りをすべきか悩んでいるのではないかというのは、あまりに善意に考えすぎだろうか。いずれにせよ資本主義の社会では解決策を見出すのは、非常に難しい問題であるような気がする。
難しく考えれば、このようになるが、要は中国も大変なことだということである。