市中雑感
このところ結構忙しくて、ホテルに籠りきりであったが、体にも悪いし精神的にもよくないので、街に出てみることにした。街の雰囲気はしばらく?見ぬ間にだいぶ変わっていた。ほんのちょっとした間であるにもかかわらず、えらく変わるものだと感心した。何が大きく違うかというと、やはり町全体が正月の準備にかかっており、正月を迎えようという雰囲気が濃くなっていたことである。新暦の正月とえらい違いである。
例えば店の棚には、正月関連の張り紙(喜ぶという字を二つ書いたものや福というを書いて反対にして張り付ける縁起物がずらと陳列しているし、お年玉の袋、年賀カードなども品ぞろえをしている。陳列棚もガラッと変わり以前あった商品が別のところに移り、その代わり正月に向けた商品がその主格を占めている。
こちらの商品は日本と比べて大体が派手である。ほとんど原色に近い赤(朱というべきか紅というべきか)に金色の配色である。日本のように、金色を少し鈍くさせたり、赤にしても少し黒色を混ぜて中間色にするということをせず、ほとんどそのままの色を使っている。あるがままを主張するという風に感じられ、人為的に周囲になじませるというより、「そこに我あり」的な表現が好まれるようである。これも国民性なのか。しかしながらこの辺りの自己主張の違いが、日本人から見て中国人の少し馴染めない部分なのかも知れない。
誰かが言っていたが、「中国の風土にはあの朱に青い色の屋根がよく似合う。たとえば緑の少ない乾いた黄土や砂漠の中ではあの色が映える」とのことである。そうかもしれない。一度ゴビ砂漠でも行ってこの風景を見たいものだ。