中国のちまた見聞録

中国を素のまま、生のまま捉える様に心がけました


 「淀みに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しく留まることなし」
  今から5、6年前中国を通算2年をかけて旅行した。中国語でいう「旅游」である。

 日本のように圧倒的に単一民族が支配的である国に対して、中国の広大で且つ多くの少数民族を内に包含し、多少の矛盾はありながらも、国としての体勢を2000年間の長きに亘って続けてきたということは、それだけでも畏敬に値する。

 今回の旅は現実の姿に直接触れることにより、中国の良さと遅れた点を垣間見ることができたと同時に、日本との関係において改めて日本を見直すきっかけになったと思う。

 このブログはその時の記録である。これ以上無理解による反目が広がらないことを祈る。

     目指すは「坊ちゃん」と「ドクトルマンボウ航海記」    (李 白扇)
 

 
 

新幹線搭乗記

今回8か月ぶりに中国を訪れた。今回も上海から入り、上海から出ることになった。上海空白の期間はわずか8か月である。しかし、その間の変化の大きさには驚かされる。まず上海の汽車駅が大きく変わっていたことだ。また市内は上海万博をターゲットとしているのか、あちこち工事中の看板と標識だらけで、昨日の上海は今日はもうない。地下鉄も大幅拡張されているようであるし、上海の地下は穴だらけでないかと感じられる。
今まで上海の新幹線に乗ったことがないが、今回利用してみた。新幹線は中国では动车(動車)と呼ばれている。長距離バスに比べると大分割高であるが、上海駅の場合は地下鉄と新幹線の乗り換えはバスと比べるとはるかに便利である。
地下鉄からバスに乗り換えようとするととんでもない距離を歩かされる。それに新幹線のほうが座席がゆったりしていて、気分的に楽である。
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写真は新幹線の先頭部分である。ごく最近の日本の新幹線モデルと非常に良く似ている。流体力学的に設計した帰結かも知れないが、もう少しオリジナリティーがあってもいいのではないかと思う。しかしこの形は美しい。モデルの名前は「和谐号」というようである。





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ちなみにドイツとフランスの高速鉄道を調べてみた。右の頭の丸いのがドイツの型で、左の頭がとがったのがフランスのものである。ウィイキペディアからの引用である。これらは比較的新しいモデルであるが、日本の新幹線とは随分異なるモデルになっているが、中国のものは、非常によく似ている。中国独自のモデルかもしれないし、日本からの技術供与(あったかなかったかも不明)の結果かもしれない。しかしここではあまりそのことは問題としないことにしよう。

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 新幹線の内部はまだ新しいせいかもしれないが、小ぎれいである。一等は横4列で、2等は横5列のシートである。座席の硬さは1等も2等も同じであり、日本の新幹線のグリーンと普通車ほどの大きな違いはない。この写真は1等のものである。
座席の後ろの網のもの入れには情報誌が入れてあったが、これからの拡張計画が書かれてあり、かなりの発展計画がされているようだ。
走行本数もそこそこあり、利便性も著しく向上しているようである。




f:id:China21:20091130180158j:image:left 帰りは2等の車両の席を取ったのだが、この車両には給湯設備がついていた。それ自体は問題がないのだが、夕飯時になると乗客がインスタントラーメンに湯を入れにここに集まることと、ラーメンのにおいがあたりに充満するのには閉口した。更に悪いことには私のスーツケースはこの給湯器の前におくように指定されたため、皆さんが置き台の代わりにスーツケースを使ったらしく、ラーメンの汁がこぼれて汚いことになっていた。

客筋が1等と2等では少し違うようであり、マナーの点でまだ考えさせられる部分は多いように思う。
 もう一点気がついたのは、窓のフレームの部分にハンマーが掛けてあったが、事故で閉じ込められた場合、窓ガラスを叩き割るためのものであるらしい。これも日本ではあまり見かけない光景である。